今月のことば「壁と老害」

壁と老害新聞広告や本屋の店頭で「八〇歳の壁」「ボケの壁」「老害の人」などの本をよく目にする。
自分が八〇歳に近くなったからだろうが、気になって数冊買ってみた。
著者の一人、和田秀樹氏は、「八〇歳を過ぎた高齢者は、老いを受け入れて生きる」ことを勧めている。
明日死んでも後悔しない人生の過ごし方として、三つのムリをやめた方がいいと。

①薬の我慢長生きの薬はない。
薬は不調があるときに飲む。

②食事の我慢食事は我慢しない。
食べたいものは食べる。
体の声を素直に聞く。

③興味あることへの我慢
男性ホルモンは元気の源。
したいことをすると脳は喜び若返る。
読んでいるとうなずくことが多い。

老害とは迷惑な老人を侮蔑交じりに指す表現である。
レジの支払いに時間がかかることで他人に迷惑をかけている、老害か。
高齢者が運転免許を返納しないのは老害か。

テレビで高齢者がアクセルとブレーキの踏み間違いなどで事故を起こすと
「それみろ、高齢者の運転はやっぱり危ない」と高齢者の免許返納を煽る。
そんな番組のほとんどは東京のキー局で制作されている。
地方の事情は一切考慮されてない。

今の地方は車社会。
車がなければ買い物もできない。
私の住んでいる地域も、小売店は一軒も無くなった。
近いスーパーまで三キロ、四キロある。
免許を取り上げることは足を奪うことになる。
免許を返納すると、健康まで損なわれるというデーターもある。
筑波大学の調査によると免許を返納した六年後の要介護認定のリスクは2・2倍にも上昇することがわかったという。

自分に都合の良い事だけを抜き書きしたみたいだが、事故のことも考え、この度車を変えた。
ブレーキ・アクセルの踏み間違いを防止する装置の付いた軽自動車に高齢者マークをつけて安全運転している。つもり。

生かされていることを喜び、感謝し、自分の経験を生かして少しでも役立つことを。

人間は介護を受けて大きくなり、最後は介護を受けて亡くなっていくー。

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